同じミスに、何度も対策していませんか?
「前にも対策したはずなのに、また同じミスが起きた」
「注意するように伝えたのに、また繰り返している」
このような経験はないでしょうか。ミスやトラブルが起きれば、原因を確認して対策を考える。注意表示を追加したり、ルールを変更したり、チェック項目を増やしたりすることもあります。
それでも、しばらくすると同じようなミスが起きる。
すると、
「対策が足りなかったのかもしれない」
「もう少し注意してもらった方がいいのか」
と、さらに対策を追加したくなるかもしれません。
しかし対策を決めて実施すると、そこでひとまず問題が解決したように感じやすくなります。しかし、その後の状況を確認しなければ、対策が十分に機能していないことや、時間とともに元の状態へ戻っていることに気付けない場合があります。
だからこそ見直したいのは、対策の数ではなく、実施した対策が本当に機能したかを確認できる状態になっているかという点です。
対策は、実施して終わりではなく、その後の効果まで確認することが大切です。
この記事では、「対策したつもり」で終わってしまう理由と、無理なく効果を確認するために見直したいポイントを解説します。
「対策したのに、また起きる」現場で何が起きているのか
例えば、台車と人が接触しそうになるヒヤリハットが発生したとします。
対策として、通路に注意表示を追加しました。
現場にも周知し、「ひとまず対策できた」と考えます。
ところが、しばらくすると同じ場所で、また似たようなヒヤリハットが発生します。
この時に考えたいのは、「対策したか」ではなく、「その対策で危険は減ったのか」ということです。
注意表示を設置しても、作業中には見えにくかったのかもしれません。
そもそも通路が狭く、表示だけでは十分に防げない状況だった可能性もあります。
実際にやってみなければ、対策が現場でどこまで機能するか分からないこともあります。
大切なのは、最初から完璧な対策を考えることではありません。
同じミスが起きた時に「対策したはずなのに」で終わらせず、実際の現場でその対策が機能しているか、効果を確認することが大切です。
「対策を実施した」がゴールになっていないか
同じミスが繰り返される原因の一つが、対策を実施したところで一区切りになってしまうことです。
例えば、ミスが発生した後に、
・注意表示を設置する
・チェック項目を追加する
・作業方法を変更する
といった対策を実施したとします。
現場では、対策を決めて実行するだけでも時間がかかります。
そのため、対策を実施するとそこで一区切りとなり、次の仕事へ移って、「その後どうなったか」まで確認できないこともあるでしょう。
しかし、本来知りたいのは、対策を実施できたかだけではありません。
その対策によって、同じミスが起こりにくくなったかどうかです。
対策後を確認しなければ、効果が十分でなかったとしても、次に問題が起きるまで気づけないことがあります。
さらに、またミスが起きるたびに新しいルールやチェックを追加していけば、現場の負担が増え、対策そのものが続けにくくなることもあります。
再発防止では、「何をしたか」だけでなく、「その後どうなったか」まで見ることが大切です。
対策は時間が経つと続けにくくなることもある
対策そのものに効果があっても、時間が経つにつれて続けにくくなることがあります。
例えば、
通路に物が置かれていたため、「ここには物を置かない」とルールを決め、別の置き場を設けたとします。
対策した直後は、問題なく運用できていました。
ところが繁忙期になり、決めた置き場だけでは足りなくなって、再び通路へ一時的に物を置く。
それが何度か続くうちに、いつの間にか以前と同じ状態へ戻ってしまう。
これは単純に、「ルールを守らなかった人が悪い」とは言い切れません。
現場の状況が変わり、決めた対策そのものが続けにくくなっている可能性もあるからです。
ほかにも、注意表示が見えにくくなったり、新しく追加した確認が忙しい時には実施しにくかったりすることもあります。
改善直後にうまくいっていても、その状態がずっと続くとは限りません。
だからこそ、「決めた通りにできているか」だけではなく、今の現場でも無理なく続けられる対策になっているかを見ることが重要です。
まずは「いつ効果を確認するか」まで決める
では、「対策したつもり」で終わらせないためには、何から始めればよいのでしょうか。
まずできるのが、対策を決めた時に「次にいつ見るか」も一緒に決めておくことです。
忙しい現場では、
「後で確認しよう」
と思っていても、別の仕事やトラブル対応が入れば忘れてしまうことがあります。
これは、リーダーの意識だけで解決できる問題ではありません。
だからこそ、毎回覚えておくのではなく、対策を決めた時点で確認するタイミングも決めておきます。
例えば、確認する時には、
・同じミスが起きていないか
・現場で実際に続けられているか
・新しいやりにくさが出ていないか
といった点を見ます。
ここで大切なのは、大がかりな効果確認をすることではありません。
まずは「対策した後に、一度その状態を確認する機会」をあらかじめ決めておくことです。
「対策を実施したら完了」ではなく、「次にいつ見るか」まで決めておく。
それだけでも、対策したままになってしまうことを防ぎやすくなります。
根本は「対策後を確認できるしくみ」にする
「次にいつ見るか」を決めても、そのたびに現場リーダーが覚えて管理するのでは、負担が増えてしまいます。
そこで考えたいのが、対策後の確認を、普段の仕事の中に組み込むことです。
例えば、
・朝礼で状況を確認する
・現場巡回で対策箇所を見る
・既存の点検の中に確認を組み込む
新しい会議やチェック表を増やさなくても、今ある仕事の中で確認できれば続けやすくなります。
製品の品質に問題やばらつきがあった製造会社では、対策後も定期的に確認の場を設けています。実際の製品や写真を見ながら効果を確認し、必要に応じて改善方法を見直しています。
そして、確認して効果が出ていなければ、「もっと注意しよう」とするだけではなく、「なぜ、この対策では防げなかったのか」を見直します。
現場では使いにくかったのかもしれませんし、原因に合った対策ではなかった可能性もあります。
大切なのは、最初から完璧な対策をつくることではありません。
対策した後を無理なく確認し、効果がなければ見直し、効果があれば続けられる状態にしておくこと。
それが、「対策したつもり」で終わらせず、改善を定着させるための基本です。
まとめ
同じミスが繰り返されるからといって、対策が足りないとは限りません。
見直したいのは、「対策した後を確認できているか」という点です。
現場リーダーとして持ちたいのは、「対策したか」ではなく、「その対策は本当に機能したか」という視点です。
まずは対策を決める時に、「次にいつ見るか」まで一緒に決めてみてください。
さらに、朝礼や現場巡回、既存の点検など、普段の仕事の中で対策後を確認できるようにしておくことも大切です。
対策して終わりではなく、効果を確認し、必要に応じて見直す。そこまでを一つの流れにすることで、改善を現場に定着させやすくなります。
では、確認して分かったことを、次の改善へどうつなげればよいのでしょうか。
その具体的な考え方については、次の記事で詳しく解説します。
よくある質問(FAQ)
- 対策をしているのに、なぜ同じミスが繰り返されるのですか?
-
原因の一つとして、対策を実施した時点で完了となり、その後に「本当にミスが減ったか」を確認できていないことが考えられます。対策の実施だけでなく、効果まで確認することが重要です。
- 再発防止策を実施した後は、何を確認すればよいですか?
-
対策が実施されているかだけでなく、同じミスが減っているか、現場で無理なく続けられているか、新たな問題が起きていないかを確認します。
- 改善効果はいつ確認すればよいですか?
-
対策の内容によって適切なタイミングは異なります。大切なのは、「後で確認しよう」とするのではなく、対策を実施する時点で次に確認するタイミングを決めておくことです。
- 対策をしても効果がなかった場合はどうすればよいですか?
-
「対策したのに守らなかった」と考えるだけでなく、なぜ効果が出なかったのかを確認します。現場で使いにくい、原因に合った対策ではなかったなどの可能性を考え、方法そのものを見直すことが大切です。
- 再発防止で最も重要なことは何ですか?
-
対策を実施して終わりにせず、その後の状態を継続して確認できるしくみをつくることです。朝礼や現場巡回、既存の点検など普段の仕事の中に確認を組み込むことで、効果を確認し、必要に応じて対策を見直しやすくなります。




