ダブルチェックをしているのに、ミスがなくならないことはありませんか?
「二人で確認したから大丈夫」
「最後にチェックしたから安心」
それでも後から、品番違いや寸法違い、数量違いなどのミスが見つかることがあります。
ミスが起きると、
「ちゃんと確認した?」
「次からもっと注意しよう」
となりがちです。
しかし、二人とも確認していたのに見逃していたとしたら、本当に注意力だけの問題なのでしょうか。
ダブルチェックは、一人の確認だけでは気付けないミスを発見しやすくするための方法の一つです。
それでも同じようなミスが起きるのであれば、「二人で確認すること」自体が目的になっていないか、確認方法そのものに目を向ける必要があります。
この記事では、ダブルチェックをしてもミスがなくならない理由と、「何を・どう確認するか」という確認方法を見直すポイントについてを解説します。
「二人で見た」だけではミスを防げない
例えば、注文書から転記した数量を二人で確認したとします。
一人目が入力された数字を見て「問題なし」と判断する。
二人目も同じ数字を見て「問題なし」と判断する。
それでも後から、数量違いが見つかることがあります。
二人で確認していても、元の注文書と照らし合わせず、同じ場所を同じ方法で見ていれば、二人とも同じ間違いを見逃す可能性があるからです。
「二人で見た」という事実だけでは、何をどこまで、どのように確認できたのかまでは分かりません。
仕入内容を入力者、別担当者、最終確認者の3段階で確認していた工場でも、間違いが残ることがありました。そこで、人数を増やすだけでなく、「誰が何を確認するか」を明確にしています。
ダブルチェックをしているのに同じようなミスが起きているなら、確認した人数ではなく、「何を・どう確認しているか」という確認の中身を見る必要があります。
「何を見るか」が人によって違っていないか
ダブルチェックが機能しにくい原因の一つが、確認する内容が曖昧なことです。
例えば、
「この見積、確認しておいて」
と頼んだとします。
一人は合計金額を見る。
別の人は数量を見る。
経験のある人なら、単価や計算式まで確認するかもしれません。
同じ「確認する」という作業でも、人によって確認している範囲が違うことがあります。
さらに、
「一人目が確認しているから大丈夫だろう」
「前の工程で見ているはず」
という思い込みが加わると、お互いに相手が確認していると思い、結果として誰も確認していない部分が生まれることもあります。
ここでまず見直したいのは、「確認する」という言葉だけで、何を見るのか、どこまで見るのかをそれぞれの判断に任せていないかということです。
「ダブルチェックした」が目的になると形骸化する
もう一つ注意したいのが、ダブルチェックそのものが目的になってしまうことです。
例えば、
・二人の印鑑があれば完了
・チェック欄に二人が○を付ければ完了
・とりあえず別の人にも見てもらう
という状態です。これでは、「何を確認できたか」よりも、「二人が確認したという記録を残すこと」が優先されてしまいます。
本来の目的は、二人で見ることではありません。
数量違いや寸法違い、品番違いなど、防ぎたいミスを確認の段階で見つけ、次の工程へ流さないことです。
ダブルチェックを続けているのに同じミスが繰り返される場合は、「二人で確認したか」ではなく、「その確認で何のミスを防ぐのか」まで見直す必要があります。
まずは「何を・どう確認するか」を明確にする
何を確認するのかを明確にしたら、次に決めたいのが、「どう確認するか」です。
例えば、数量や寸法、金額などの数字を確認する場合でも、ただ同じ数字を二人で見るだけでは十分とは限りません。
一人目が合計の数字を見る。
二人目も同じ数字を見て、「合っている」と判断する。
これでは、元となる数量や単価そのものが間違っていた場合、二人とも気づかない可能性があります。
そこで、確認方法を次のように具体的にします。
・何と照らし合わせるのか
・元となる情報まで確認するのか
・どの状態なら「問題なし」とするのか
例えば合計金額なら、表示された金額だけを見るのではなく、数量や単価などの元となる数字と照らし合わせる。
数量なら、入力された数字と注文書や指示書が一致しているかを確認する。
ポイントは、「同じものを二人で見る」だけではなく、「何と照らし合わせて確認するか」を決めることです。
確認方法が具体的になれば、「二人で見たから大丈夫」という確認から、防ぎたいミスを見つけ、次の工程へ流さないための確認へ変えていくことができます。
根本は「誰が確認しても抜けにくいしくみ」にする
「何を・どう確認するか」を決めても、それを担当者が毎回覚えていなければならない状態では、忙しい時や人が変わった時に抜ける可能性があります。
そこで考えたいのが、決めた確認方法を、誰が担当しても分かる形にしておくことです。
例えば、
・誰がどの段階で確認するかを決める
・確認する項目や照合する資料を明確にする
・チェックリストや手順書など、確認方法を見える形にしておく
といった方法があります。
ただし、チェック項目を増やせばよいわけではありません。
項目が多すぎれば、確認すること自体が目的になり、かえって形骸化する可能性があります。
大切なのは、「この確認方法で、本当に防ぎたいミスを見つけられるか」という視点です。
ダブルチェックは、「二人で見たから安心」というしくみではありません。
何を・どう確認するかを明確にし、それを担当者が変わっても同じように実施できる状態にしておくことが、見落としを減らすための基本になります。
まとめ
ダブルチェックをしているのにミスがなくならないからといって、担当者の注意力だけが原因とは限りません。
見直したいのは、「二人で確認した」という事実だけで安心していないかという点です。
何を確認するのか。
何と照らし合わせるのか。
どの状態ならOKなのか。
こうした確認方法が曖昧なままでは、人数を増やしても同じ見落としが起こる可能性があります。
現場リーダーとして持ちたいのは、
「二人で確認したか」ではなく、「防ぎたいミスを見つけ、次の工程へ流さない確認になっているか」
という視点です。
さらに、決めた確認方法を担当者だけの経験や記憶に頼るのではなく、誰が担当しても同じように確認できる形にしておくことも大切です。
まずは、今行っているダブルチェックについて、何を見て、何と照合し、どのようにOKと判断しているのかを一度確認してみてください。
そして、確認で見つかった問題や気づきを次の行動につなげる考え方については、次の記事で詳しく解説します。
よくある質問(FAQ)
- ダブルチェックをしているのにミスがなくならないのはなぜですか?
-
二人が同じ数字や項目を同じ方法で確認していると、同じ見落としが起こる可能性があります。「二人で見ること」だけでなく、何をどのように確認するかを明確にすることが重要です。
- ダブルチェックで最も重要なことは何ですか?
-
「二人で見ること」そのものではなく、「何を確認するのか」「何と照らし合わせるのか」「どの状態ならOKなのか」を明確にすることです。
- チェックリストを作るだけでも効果はありますか?
-
確認項目のばらつきを減らす効果は期待できます。ただし、項目を増やすだけでは形骸化する可能性があります。防ぎたいミスに合わせて、確認項目や方法を見直すことが大切です。
- 一人しか確認できない場合はどうすればよいですか?
-
一人で確認する場合でも、同じ内容を同じ方法で繰り返し見るのではなく、元となる情報と照合するなど、確認方法を変えることが大切です。例えば、入力した数量を見直すだけではなく、注文書や指示書と照らし合わせて確認することで、見落としを減らしやすくなります。
- ダブルチェックを形だけにしないためにはどうすればよいですか?
-
「二人が確認したか」だけを管理するのではなく、その確認で何のミスを防ぐのかを明確にすることが大切です。また、何を・どう確認するかを決め、担当者が変わっても同じ確認ができる形にしておきましょう。実際にミスが起きた場合は、確認方法そのものを見直して次の確認へ反映することも重要です。




