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労災ゼロのカギは“しくみ化”!設備導入を“現場で回し続ける”手順

「毎日『気をつけて』と声をかけているのに、ヒヤリハットがなくならない」
「設備を導入したけれど、時間が経つと効果が薄れてしまう」
こうした悩みを抱えている安全管理者の方は少なくありません。労災ゼロはどの企業にとっても解決したい課題ですが、注意喚起や安全教育だけでは限界があります。そこで重要になるのが、人の意識に頼らず事故を防ぐ“しくみ化”です。本記事では、設備導入の考え方から、導入→ルール化→定着→改善まで、現場で回し続けるための要点をまとめます。

目次

1. 労災ゼロは「安全のしくみ化」で近づける

安全な現場は、社員が安心して働ける環境を整え、取引先からの信頼にもつながります。第一歩は安全対策を目的とした設備導入です。設備は単なる効率化ツールではなく、ヒューマンエラーを起こさせない仕組みを現場に根付かせる手段です。

事例:インターロック装置の導入
弊社が以前工事をさせていただいた工場では、製造ラインでのヒヤリハット事故が目立った時期がありました。特に、重要ラインに作業員が入っている間は製造ラインを動かすことをできないようにするため、人が立ち入れなくするための安全柵や安全ブースを設置し、その出入り口の扉に開閉検出のための装置である「インターロック装置」を設置しました。扉が開いているときは機械が動かないようにしたり、扉が閉まっても中に人がいないことを確認後に別のスイッチを押さないと機械が動かなかったりと、現場の状況によって電気制御することができます。

インターロック装置を導入した結果:
・危険を減らしながら効率化
・労災リスクを抑制しつつ受注拡大

設備を導入するだけでは効果は持続しません。「しくみとしてどう運用するか」を決めることが不可欠です。

2. 設備導入で“人に頼らない安全”をつくる

設備を導入する最大の効果は、人が危険な作業を直接行わなくても済む環境をつくれることです。
例:切断・搬送作業の自動化
・機械が作業を担うことで、ヒューマンエラーを削減
・熟練度に依存せず、属人化も解消
しかし、導入直後の「慎重に扱う意識」は時間とともに薄れます。
そのために必要なのが 「使い方ルール+チェック体制」 です。

機械導入時の弊社の取り組み(シャーリング導入時)

導入直後:フットスイッチのみの稼働
改善策:毎日の点検・刃の摩耗チェックをルール化、フットスイッチだけではなく、両手のスイッチも押さないと稼働しないしくみ(手の挟まれ防止)
結果:誤作動や事故を防ぎ、効果を継続

設備はスタートラインです。安全を続けるには、ルール・教育・点検のサイクルを組み合わせる必要があります。

3.導入+ルール化で労災ゼロにつながる事例

設備導入を“しくみ化”と結びつけた現場では、安全は一時的な改善にとどまらず、文化として根付いています。

事例:自動化機械の導入
従来は熟練者に頼る作業が多く、安全面・効率面に課題がありました。

対応策
・機械を導入し、マニュアルで操作を誰でも可能に
・作業手順書とチェックリストで点検・教育を標準化

効果
・作業の属人化が解消され分業化
・熟練者は品質向上に集中
・安全性と生産性が同時に向上

「導入+ルール化+教育+メンテナンス」のサイクルを回すことで、安全は現場に根付く文化として定着します。

4.労災ゼロに導く「しくみ化」の具体ポイント

安全設備の導入をすれば、事故は起こらないとは限りません。
安全設備があることによって、逆に作業がやりにくくなり、作業者がやりやすいようにやり方を変えてしまうことで危険な作業になったりもします。現場に定着させるには、以下の4ステップが有効です。

1. 点検ルールをチェックリスト化
・電源OFF確認、刃の摩耗、センサー作動など
・日付・担当者を全員が見える形で共有

2. ルール標準化
・新安全設備の導入時は必ず手順書を更新
新人教育で同じ資料を使い、作業のブレを防ぐ

3. 見える化
・ヒヤリハット件数や改善状況を現場で共有
ヒヤリハットの見える化はこちらの記事で詳しく見れます

4. 改善サイクル(PDCA)
・定期的に再評価・追加対策を実施で共有

このステップにより、人数が少ない現場でもしくみを回しやすく、労災ゼロが文化として定着します

5.実現のカギ:設備と運用で押さえるべき手順

安全を現場に定着させるには、設備と運用の両輪でしくみ化が必要です。

  1. 課題の可視化:事故・ヒヤリハットを洗い出す
  2. 設備導入:危険を物理的に遮断
  3. ルール化:教育・点検・手順書を整備
  4. 定着:チェックリストと効果測定を運用
  5. 改善サイクル:再評価・追加対策で継続改善

この手順を踏むことで、労災ゼロを現場文化として根付かせることができます。
さらに精度を高めるなら…

内部だけでは気づきにくい“慣れの盲点”を外部視点でチェックすると、取りこぼしを防げます。
工場の安全は“慣れ”が盲点?外部視点で気づく見落としリスクと対策

まとめ

労災ゼロは、注意喚起だけでは達成できません。設備導入と運用ルールをセットにした しくみ化 が鍵です。
小さな改善 → 効果測定 → 定着 → PDCAの循環で、現場文化として安全が根付きます。

よくある質問(FAQ)

再発防止策は注意喚起だけでは不十分ですか?

はい。設備と運用の仕組みがなければ同じ事故が繰り返されます。

設備導入で本当に労災ゼロにつながりますか?

導入+ルール化+教育で、ヒューマンエラーを根本から防げます。

設備導入はコストが高くないですか?

小規模現場向けの低コスト設備でも、損失防止効果は投資を上回ります。

定着させるには何が必要ですか?

点検・教育・効果測定を繰り返し、現場文化として根付かせること。

まず何から始めればいいですか?

ヒヤリハットの洗い出し→改善優先度付け→設備導入の順で進めるのが効果的。

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