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ゼロ災を“続ける現場”に変える!習慣化のしくみとリーダーの工夫

工場の現場で「ゼロ災」を目指す取り組みは、やっても続かない、形だけになる——そんな悩みを持つリーダーは多いのではないでしょうか。
忙しさや慣れの中で、安全行動を“続けること”こそが最も難しい課題です。本記事では、現場をまとめるリーダーの立場から、ゼロ災を続けるための習慣化のしくみを進めるコツを解説します。
あんしんファクトリーLABOが実際の製造現場で見てきた、ゼロ災を“続ける現場”に変えるための考え方と具体策を紹介します。

目次

「動く安全会議」で“当事者”を増やす

安全会議が「ただの報告をする場」で終わっていませんか?上からの通達を伝えるだけでは、現場の声も行動も動きません。
本当に現場を変えるには、リーダー自身が“会議の設計者”になることが大切です。まず意識したいのは、会議の時間と目的を明確にすることです。会議は長くなるほど議論が散漫になります。短く区切り、開始前に「何を決めたい会議なのか」を明示しましょう。

会議の目的を整理して使い分けるコツ

・「決める」は会議
ゴールを明確にして、結論を出すことが目的です。最初に「何を決める場なのか」を共有すれば、話の脱線を防げます。

「考える」は検討会
アイデアを出したい時は、自由に意見を出せる別の機会を設けましょう。会議と検討会を分けることで、参加者が目的を意識しやすくなります。

・「共有」は連絡
伝達が目的なら、会議ではなく簡潔な情報共有で十分です。検討会での結論報告も、チャットツールや掲示などを活用すれば短時間で全員に伝えられます。

このように会議の目的を整理して使い分けるだけでも、話し合いはスムーズになり、結論が出やすくなります。リーダーが設計する会議は、単なる「報告の場」から、現場を動かす“行動の起点”に変わります。

教育を自走化する ―「教え合う」職場へ

外部講習や座学だけでは、安全は現場の行動に結びつきません。本当に力になるのは、日々の現場で“教え合う文化”をつくることです。

事例紹介:ある製造所の取り組み

ある製造現場では、社内安全インストラクター制度を導入し、ベテランが日々のOJTで安全行動を伝えています

主な取り組み内容は次の通りです:
・ベテラン社員が「社内安全インストラクター」としてOJTや朝礼で、安全行動の意義やヒヤリ体験を共有

・教育を「受ける側」から「伝える側」へ、ベテラン社員を転換

・「社内安全インストラクター」を対象に、半年ごとにテーマ(例:「整理整頓と安全」「焦りと判断ミス」)を設定し、全社共通で学ぶ「安全月間」を実施


このサイクルを1年単位で回すことで、個人ではなく組織として学ぶしくみが形成されています。
リーダーは「教える側の人数を増やすこと」によって、より安全な社風を広げやすくなります。
メンバー同士が自然に教え合い、学びが循環する環境をデザインすることこそが、リーダーの仕事です。

リスクアセスメントを長期的に続けるしくみ

安全活動が続かない理由のひとつに「時間が取れない」があります。

リスクアセスメントは安全活動の基本ですが、単発の取り組みでは効果が長続きしません。長期的に習慣化するためには、業務スケジュールに組み込み、時間を指定して実践することが有効です。

事例紹介:ある現場の取り組み事例

・1回15分のリスクアセスメントを業務の一環として実施
・業務スケジュールに明記し、全員が同時刻に持ち場の危険箇所を確認
・改善策を簡単に記録し、共有フォルダで見える化

短時間で全員が関わるしくみにすることで、負担が少なく継続しやすくなります。

このように、「短時間+全員参加+即対応」を組み合わせることが、長期的に続けるためのポイントです。

「安全=生産性」を組織全体で理解する

安全を「コスト」とみなす限り、改善は一過性に終わります。近年では、安全指標を経営KPIの一部として管理する企業も増えています。

・ヒヤリハット件数(現場の“気づき力”を測る指標)
・改善提案件数(安全意識の活性度を示す指標)
・安全教育実施率

(教育の浸透度を可視化する指標)これらを月次で集計し、チームミーティングなどで共有することで、「安全への投資が品質・納期・利益にどうつながるか」を数値で可視化できます。

さらに重要なのは、この考え方を全社で共有し、全体最適で進めることです一部の部署だけで安全を追求しても、他部署で手戻りが起きれば結果的に生産性は下がります。安全と生産は対立するものではなく、両輪として支え合うものという視点が浸透すると、現場の判断が変わり、日々の行動も自然と整います。なお、ヒヤリハット報告書の書き方は以下の記事をご参照ください。

▶工場のヒヤリハット報告書の書き方|再発防止につながる作成手順とチェックリスト

リーダーが示す“一貫性”が文化をつくる

中長期的な安全文化を育てるうえで、最も重要なのはリーダーの一貫した姿勢です。現場では「言葉より行動」が信頼を生みます。

現場の状況を先に察し、行動で見本を示す。“言葉より行動”を続けることがリーダーの信頼をつくります。どんなにしくみや体制を整えても、リーダーが焦って作業を急がせればその瞬間に「納期が最優先」と現場に伝わります。

逆に、焦らず、無理をさせず、ルールを守り切る姿勢を続ければ、職場の基準が自然と高まり、「安全を守り切るのが当たり前」という空気が自然と根づいていきます。

具体的行動例

①焦らない
工程に余裕を持たせてスケジュールを組む
・急ぎの仕事でも、確認工程を省かず実施する

②無理をさせない
人員や時間が足りないときは、無理を通さず計画を見直す

③守り切る
・安全ルールを守って作業した結果、時間がかかっても評価する
・例外をつくらず、同じ基準で判断し続ける

これを1年、2年と続けることで、リーダーの姿勢そのものが職場全体の基準になります。文化とは、制度やスローガンだけでなく、日々の行動パターンの積み重ねによって育まれるものです。

焦らず、無理をさせず、守り切る。その一貫した姿勢こそが、安全と信頼を根づかせる最大の力になります。

まとめ

中長期で“続く安全文化”をつくるリーダーの3つの視点

・しくみを見る ― 続けやすい構造を設計する
人を見る ― 自発的に動く人が増えているか観察する
自分を見る ― 自分の言動が現場の基準になっていないか振り返る

安全を単なる“スローガン”ではなく“文化”として根づかせるため、現場の一人ひとりが主役となり、リーダーがその流れを支える。それが“続く安全文化”の土台です
習慣を“文化”に変えるためには、リーダーの言葉と行動の一貫性も欠かせません。
そしてその文化を育てる次のステップが、「フィードバック」です。

現場で起きた小さな気づきを共有し合い、前向きに改善を続ける仕組みこそ、ゼロ災を定着させる鍵。
次の記事では、「フィードバックで変わる!安全と効率を両立する現場改善を紹介します。一緒に、続けられる現場づくりのヒントを見直していきましょう。

よくある質問(FAQ)

「動く安全会議」を始めたいのですが、まず何から変えればいいですか?

まず「会議の目的」を一つに絞ることから始めましょう。
「決める」「考える」「共有する」を混ぜずに、それぞれ時間や場所や参加者を分けるだけで、単なる雑談時間で終わることなく議論が整理され、行動につながる会議になります。

教え合う文化を根づかせるには、どんな仕掛けが効果的ですか?

「発表の場」をつくるのが効果的です。
朝礼や安全月間などで、ベテランや中堅がヒヤリ体験を話すだけでも、“教える文化”が自然に広がります。

リスクアセスメントの時間を確保できません。どうすれば続けられますか?

「短時間・対象者全員参加・業務時間内」がポイントです。
たとえば「毎週水曜の朝15分」と決めて習慣化すると、負担を増やさず長期的に定着します。

「安全=生産性」という考えを現場にどう浸透させればいいですか?

数値で見せるのが効果的です。
ヒヤリハット件数や改善提案件数などを月次で可視化し、安全活動が品質や納期に直結していることを示しましょう。

リーダーの一貫性を保つために、意識すべきことは?

「焦らない・無理をさせない・守り切る」の3原則を日々意識してください。
特別なスローガンより、日常の判断が文化をつくります。

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